使いたいですか? 「Undertale 非公式日本語化パッチ」




■はじめに
 Undertaleの作中で使われている言語は英語です。
 そのことが、多くの日本人steamユーザーにとって、ゲームをプレイしようという気持ちの妨げになっていることでしょう。
 そして、「Undertale 非公式日本語化パッチ」が、プレイの手助け・新規プレイヤーの増加に貢献したのもまた事実だと思います。
 しかしながら、この「Undertale 非公式日本語化パッチ」には、たくさんの問題があるということを、一体どれだけの人が把握しているのでしょうか?
 そもそも、意識したことはあるのでしょうか?



■非公式パッチ
 「Undertale 非公式日本語化パッチ」はトップページにも記載されているように「非公式」のものです。
 「公式翻訳リリース後または公式からの警告があり次第配布を中止」とも明記されており、その姿勢に問題はないと思います。
 ただ、「Undertale 非公式日本語化パッチ」の作成の話が出たとき、Undertaleの作者であるToby Fox氏から「公式の日本語版を待ってからにしてはどうか」という提案があったことを、ご存知ですか?


□日本語版のリリース
 「作者に隠れて個人的にUndertale 非公式日本語化パッチを作ったり使ったりするなら問題ないのでは……」と思う人もいるかもしれません。
 しかし、今や「Undertale 非公式日本語化パッチ」は多くのプレイヤーに広まり、Twitterには毎日のように「Undertale 非公式日本語化パッチ」を使用したスクリーンショットがアップされ、「Undertale 非公式日本語化パッチ」を使用した実況動画も出てきています。
 もはや個人的使用の範囲と言い切るには厳しい状況にあります。
 作者からも存在を隠しきれているとは言いがたいでしょう。

 そうなってくると何が問題なのか?
 作者が「Undertale 非公式日本語化パッチが広まっているようだし、日本語版はリリースしなくてもいいよね」と判断した場合、何も言えなくなるということです。

 そして、以下のことも考えてみてください。
 たとえ公式から日本語版Undertaleがリリースされたとして、一度「Undertale 非公式日本語化パッチ」でUndertaleをプレイした人の一体どれだけが、「もう一度日本語版Undertaleをダウンロードしてプレイしてみよう」と思うでしょうか?
 「Undertale 非公式日本語化パッチ」を当ててプレイしたからもう良いや、と思う人も多いのではないでしょうか?

 
 日本語版Undertaleがリリースされた場合であれ、されなかった場合であれ、
 「Undertale 非公式日本語化パッチ」は、公式の日本語版Undertaleという、恐らく「作者の意図に最も近い日本語訳」を目にする機会を、永遠に奪う可能性が高いのです。
 


■誰でも閲覧・編集可能な作業所
 匿名で、誰でもいつでも編集できるというのは、便利なシステムなのでしょう。
 けれども、このことが、以下の問題を生んでいると思います。


□本当に「誰でも」翻訳に参加できる
 「Undertale 非公式日本語化パッチ」の作成に協力する人に、参加条件というものは特に設定されていません。
 そのため、協力した人の中に、「Undertaleはプレイしたことはないけど、翻訳作業には参加させてもらったよ」という人がいました。
 どの部分を翻訳されたのかはわかりません。しかしながら、以下のことは間違いなく言えます。
 プレイしていない=全体の流れを知らないので、気づかないうちに文章に込められた意図を削り落としたり、意味を間違えて捉えたりしている可能性があること、
 プレイしていないけど翻訳はした=Undertaleを購入していないけど内容は知った=公式にとっての損益であるということ、
 Toby Fox氏が最も避けてほしいと望む「ネタバレ」を、「Undertale 非公式日本語化パッチ」は翻訳作業者に結果的に推奨してしまったということです。


□匿名で編集できる=誰がどこを編集したかわからない
 実況動画やブログ、Twitter上に上げられていた和訳が、「Undertale 非公式日本語化パッチ」に無断で使われていました。
 もちろん、匿名編集のため、誰が転載したのかわかりません。
 しかし、そういったことは、「Undertale 非公式日本語化パッチ」を使ってUndertaleをプレイしている人達は全く知りません。
 「Undertale 非公式日本語化パッチ」で出てきた文章が、たまたま見に行った実況動画やブログに載っていた。
 そのときプレイヤーはどう思うでしょうか?
 当然、「あ、この人、Undertale 非公式日本語化パッチの作成に協力したんだ」と考えますよね?

 そしてもし、その上で、「Undertale 非公式日本語化パッチ」内で誤訳と判断された部分が無断転載された文章であったり、「Undertale 非公式日本語化パッチ」自体が問題視されたりしたとき、内情を知らないプレイヤーに責められるのは誰でしょうか。
 「Undertale 非公式日本語化パッチ」の作成とは全く関係のない、無断転載された人です。
 
 そんな危険性がありながら、無断転載に関しての制作陣側の対応は、「無断転載された部分を自分で見つけ出して対応してくれ」といったものです。
 匿名で編集できるシステムはそのまま。
 匿名なら匿名で、他にも無断転載がないかチェックすることはおろか、未然に防ぐ対応策もとられず、無断転載しないように呼びかけることもされていません。
 無断転載されていることに気づいていない人の文章は、本人が気づかない限り、今後ずっと使われ続けます。



■おわりに
 「Undertale 非公式日本語化パッチ」は、Undertaleを愛する人たちが、「もっと多くの人にこの素晴らしいゲームUndertaleを知ってもらいたい」という気持ちから生まれたものなのでしょう。
 一人称や呼称を統一するなど、原作への愛も感じられますし、
 台詞が膨大なことや、システム的な入力ルールが多いことなどを考えても、たくさんの時間や努力が費やされていることが伺えます。
 しかし、残念ながら、その愛と努力がUndertaleにとって仇となっていることを、自覚しなければならない時が来ていると思います。

 既に「Undertale 非公式日本語化パッチ」を使用されてしまった方も、上記のことを知らなかったのですから、それ自体は悪いことではありません。
 「知らされる機会がなかったこと」が問題なのです。
 ただ、「Undertale 非公式日本語化パッチ」の使い方について、今一度考え直してみてください。
 スクリーンショットをアップしても良いのか。実況動画に使用しても良いのか。
 これからUndertaleをプレイしようとする人に、「Undertale 非公式日本語化パッチ」の使用を勧めて良いのか。
 勧めるにしても、一度「Undertale 非公式日本語化パッチ」の抱える問題を伝えてからの方が良いのではないか。

 最後に、もう一度問います。



 使いたいですか? 「Undertale 非公式日本語化パッチ



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